「紹介された職場、男性ばかりみたい。女性の派遣社員が一人で、やっていけるかな」
派遣の仕事を探していると、時給や仕事内容は魅力的なのに、職場は男性ばかりという求人に出会うことがあります。話が合うのか、飲み会はどうなのか、体調がつらい日に休めるのか。働く前から心配になる気持ちは自然なものです。
この記事では、男性が多い職場で女性派遣社員が働くときの注意点を、先輩たちの本音と、あなたを守るルールの両方から紹介します。困ったときの相談先や、男性が多い職場ならではの働きやすさもお伝えします。


男性が多い職場で女性派遣社員が働く場面は多い
男性が多い職場で女性派遣社員が働く場面は、事務職でも珍しくありません。社員の多くが男性の会社や部署で、事務やアシスタントを派遣社員に任せるケースがよくあるからです。
男性が多い職種・業界
派遣の事務職で男性が多い職場に入りやすいのは、次のような業界や部署です。
- IT企業やシステム開発部門のアシスタント
- 建設・不動産会社の営業事務や工事事務
- 製造業の工場や技術部門の事務
- 物流・倉庫会社の事務や受発注業務
- 法人営業部門の営業アシスタント
どの業界でも、部署によって男女比は大きく変わります。職場見学のときに、同じフロアで働く人の顔ぶれを見ておくと、入社後のイメージがつかみやすくなります。
男性が多い職場を働きやすいと感じる女性も多い
男性が多い職場は、女性から敬遠されてばかりというわけではありません。マイナビウーマンが2015年10月に22歳~34歳の働く女性214人に行ったWebアンケートでは、女性が多い職場と男性が多い職場のどちらが働きやすいと思うかという質問に、77.1%が「男性が多い職場」と答えています。
理由として挙がっていたのは、人間関係が複雑になりにくいことや、派閥に巻き込まれにくいことでした。10年以上前の、働く女性の「働きやすそう」という印象を聞いた調査ではありますが、男性が多い職場に良いイメージを持つ女性が少なくないことが分かります。
出典元:「女性が多い職場」と「男性が多い職場」女子が働きづらいと感じているのはどっち?(マイナビウーマン)
男性が多い職場で女性派遣社員が感じやすい悩み
男性が多い職場で働いた女性派遣社員からは、気疲れや人間関係についての本音もよく聞かれます。あらかじめ知っておけば、心の準備ができます。
男性を立てる場面や意見の通りにくさ
男性が多い職場では、古くからの習慣が残っていて、男性社員を立てる振る舞いを求められていると感じる場面があります。派遣社員という立場もあって、自分の意見が通りにくいと感じることもあるでしょう。
先輩たちの本音を聞くと、「言われたことをきちんとこなす人がありがたがられる職場だった」という声もあります。まずは任された仕事を丁寧に進めて信頼を積み、改善の提案は仕事に慣れてから、相手が受け止めやすい言い方で伝えるとスムーズです。
飲み会の誘い
男性が多い職場では、飲み会に「女性も来てくれると場が和む」と誘われることがあります。話題が合わずに気疲れしたり、行き過ぎた冗談に嫌な思いをしたりすることもあるでしょう。
「無理なら来なくていいよ」と言ってくれる人も多い一方で、毎回断っていると「付き合いが悪い」と思われないか気になる、という声もあります。職場の人間関係が評価の空気に影響することがあるのも事実なので、無理のない範囲で、たまに顔を出すくらいの距離感がちょうどよいでしょう。業務時間外の飲み会への参加は、あくまであなたの自由です。
評価や昇給の分かりにくさ
男性が多い職場では、上司や幹部に女性がおらず、女性の働き方や評価のされ方に前例が少ない場合があります。任される仕事の範囲が固定されて、成長を実感しにくいという声も聞かれます。
派遣社員の時給を決めるのは、派遣先ではなく、雇用主である派遣会社との契約です。仕事の幅が広がったときや契約を更新するときは、派遣会社の営業担当に時給の見直しを相談してみましょう。
男性が多い職場で女性派遣社員を守るルール
男性が多い職場でも、女性派遣社員を守るルールは派遣先にきちんと適用されます。派遣社員は派遣会社に雇われていますが、ハラスメントの防止や生理休暇などは、実際に働く派遣先にも責任があります。
セクハラ防止の措置は派遣先にも義務
職場でセクハラを受けたとき、あなたは派遣先にも相談し、対応を求めることができます。男女雇用機会均等法第11条第1項は、事業主に対して、セクハラを防ぐための相談体制の整備などの措置を講じるよう義務づけています。労働者派遣法第47条の2が、派遣先も派遣社員を雇用する事業主とみなして第11条第1項を適用すると定めているため、派遣先も派遣社員に対してセクハラ防止の措置を講じなければなりません。
セクハラを受けたときの具体的な対処法は、次の記事で紹介しています。
参考:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(e-Gov法令検索)
生理休暇は派遣先が対応する
生理日の就業が著しく困難なとき、あなたは生理休暇を請求できます。労働基準法第68条は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときに、使用者がその女性を生理日に働かせてはならないと定めています。派遣社員の場合、第68条の使用者としての責任を負うのは派遣先です。労働者派遣法第44条第2項が、派遣先だけを使用者とみなして第68条を適用すると定めているからです。
男性が多い職場では言い出しにくいかもしれませんが、生理休暇は法律で認められた休暇なので、遠慮せずに請求してかまいません。休暇中の給与が出るかどうかは、雇用主である派遣会社の就業規則で決まるので、派遣会社に確認しておきましょう。

更衣室や休憩室を使える
派遣先が社員に使わせている更衣室や休憩室、社員食堂は、派遣社員も使えます。労働者派遣法第40条第3項と同法施行規則第32条の3により、派遣先は給食施設・休憩室・更衣室について、派遣社員にも利用の機会を与えなければなりません。
女性用の更衣室やトイレの場所、数は、男性が多い職場ほど気になるところです。職場見学のときに案内してもらうか、派遣会社の営業担当を通じて確認しておきましょう。
男性が多い職場で女性派遣社員が困ったときの相談先
男性が多い職場で困ったことがあったら、一人で抱え込まずに相談しましょう。女性派遣社員の相談先は、派遣会社と派遣先の両方にあります。
派遣会社の営業担当
最初に相談しやすいのは、派遣会社の営業担当です。派遣会社はあなたの雇用主として、派遣先と話し合って職場の環境を改善するよう求めることができます。派遣先の人に直接言いにくいことも、営業担当なら間に入って伝えてくれます。
派遣先の苦情の申出先
派遣先にも、派遣社員からの苦情を受け付ける担当者がいます。苦情の処理に関する事項は、派遣会社から受け取る就業条件明示書に記載されることになっており、派遣先で苦情を受け付ける担当者の部署や連絡先も、就業条件明示書で確認できるのが一般的です。労働者派遣法第40条第1項は、苦情の申出を受けた派遣先に対して、派遣会社に内容を通知し、派遣会社と連携して遅滞なく適切に処理するよう義務づけています。
男性が多い職場で女性派遣社員が感じる働きやすさ
男性が多い職場には、女性派遣社員ならではの働きやすさもあります。注意点ばかりに目を向けず、良い面も知っておきましょう。
人間関係がさっぱりしている
男性が多い職場は、女性同士の派閥やうわさ話に悩まされることが少なく、人間関係がさっぱりしていると感じる方が多いようです。仕事の指示も結論からはっきり伝えられることが多く、分かりやすいという声もあります。
プライベートを大切にしやすい
派遣社員は契約で仕事の範囲と勤務時間が決まっているため、長時間の残業をする男性社員よりも早く帰れることが多く、プライベートを充実させやすい働き方です。女性が一人だけの職場では、ちょっとした気配りに「助かるよ」と感謝される場面も多く、やりがいにつながります。

男性が多い職場で女性派遣社員が働く注意点のまとめ
男性が多い職場で女性派遣社員が働くときは、男性を立てる場面や飲み会の付き合い、評価の分かりにくさなど、先輩たちが感じてきた悩みを知っておくと、心の準備ができます。
一方で、セクハラ防止の措置や生理休暇、更衣室や休憩室の利用など、女性派遣社員を守るルールは派遣先にもきちんと適用されます。困ったときは、派遣会社の営業担当や派遣先の苦情の申出先に遠慮なく相談してください。人間関係がさっぱりしていて、プライベートも大切にしやすいのは、男性が多い職場ならではの魅力です。気になる求人があれば、職場見学で雰囲気を確かめて、あなたに合う職場か見極めてみましょう。














