「派遣社員の給料で1人暮らし、ちゃんと貯金までできるのかな…」
派遣で働きながら1人暮らしを始めたい、もっと貯金を増やしたいと考えても、毎月の生活費がいくらかかるのか、手取りでやりくりできるのかは、なかなかイメージしにくいものです。
この記事では、派遣社員が1人暮らしで貯金をする方法を、公的統計にもとづく1ヶ月の平均出費とあわせて解説します。派遣の収入の目安と手取りの出し方、家賃を抑える方法、先取り貯金や固定費の見直し、派遣の契約の切れ目に備える生活防衛資金の考え方も紹介します。



派遣社員でも1人暮らしはできる!1ヶ月の出費について
派遣社員でも1人暮らしはできます。派遣の収入の目安と、1人暮らしの1ヶ月の出費の平均を公的統計で確認すると、手取りの中でどれくらい貯金に回せるかが見えてきます。
派遣社員の収入の目安
厚生労働省の「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、一般事務の派遣社員の賃金は、8時間換算で平均1万2,231円です。1日8時間・月20日働いた場合で計算すると、額面の月収はおよそ24万4,000円になります。
派遣の働き方には、フルタイムのほか、時短勤務や週3日勤務などの選択肢もあり、実際の月収は時給と働く日数・時間によって大きく変わります。
出典元:令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)(厚生労働省)
1人暮らしの1ヶ月の出費の平均
総務省の「家計調査(家計収支編)2025年」によると、34歳以下の単身女性の1ヶ月の消費支出は平均18万8,449円です。内訳は次のとおりです。
| 費目 | 1ヶ月の平均 |
|---|---|
| 食料 | 38,992円 |
| 住居(家賃など) | 40,353円 |
| 光熱・水道 | 8,801円 |
| 家具・家事用品 | 6,294円 |
| 被服及び履物 | 9,008円 |
| 保健医療 | 8,858円 |
| 交通・通信 | 16,921円 |
| 教養娯楽 | 20,164円 |
| その他(交際費・理美容など) | 39,058円 |
| 合計 | 188,449円 |
住居費は、持ち家や社宅・寮などで家賃を払っていない世帯も含めた平均です。同じ調査で家賃・地代を払っている世帯の割合は79.8%なので、賃貸で1人暮らしをする場合の家賃は、表の金額より高くなるのが普通です。なお、34歳以下の単身女性は集計世帯数が少ないため、金額はおおまかな目安として見てください。
派遣社員の手取りの目安の出し方
手取りは、額面の給与から社会保険料と税金を差し引いた金額です。派遣社員の給与から差し引かれるのは、主に次の5つです。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 所得税
- 住民税(働き始めた翌年の6月ごろから)
家計調査2025年では、34歳以下の単身女性の勤労者世帯の実収入は月32万3,620円、税金や社会保険料を引いた可処分所得は27万4,451円で、実収入のおよそ85%でした。住民税は前年の所得をもとに決まるため、働き始めて2年目から手取りが減ったと感じる方もいます。実際の手取りは、毎月の給与明細の「差引支給額」で確認しましょう。
派遣社員の1人暮らしで家賃を抑える方法
派遣社員の1人暮らしで、いちばん大きな出費になるのが家賃です。家賃は毎月必ずかかる固定費なので、部屋探しの段階で家賃を抑えておくと、その後の貯金がぐっと楽になります。
派遣先への路線を広げて部屋を探す
たとえば東京駅や品川駅の近くで働く場合、JR山手線沿いで部屋を探す方が多いものの、駅から徒歩5分圏内では家賃が高くなりがちです。乗り換え1回で職場に着ける路線まで範囲を広げると、同じ家賃でも条件のよい部屋が見つかりやすくなります。
上京してくる方は路線に詳しくないため、職場まで乗り換えなしで行ける範囲だけで探してしまいがちです。乗り換えを1回許容するだけで、候補の部屋はぐっと増えます。
派遣なら自宅から通いやすい仕事を選べる
派遣社員は、仕事を紹介してもらう段階で勤務地を選べます。家賃の安いエリアに住み、そこから通いやすい派遣先を派遣会社に探してもらうという順番で考えることもできます。登録のときに、希望の通勤時間や沿線を派遣会社に伝えておきましょう。

派遣社員が1人暮らしで貯金する方法
派遣社員が1人暮らしで貯金を続けるコツは、残ったお金を貯めるのではなく、最初に貯金する分を分けておくことです。あわせて、毎月かかる固定費を見直すと、無理なく貯金額を増やせます。
給料日に先取り貯金をする
先取り貯金は、給料が振り込まれたらすぐに、決めた金額を別の口座へ移す貯金方法です。銀行の自動積立や定額自動振替を使えば、手間をかけずに続けられます。最初は手取りの1割など、無理のない金額から始めるのがおすすめです。
通信費やサブスクなどの固定費を見直す
スマートフォンの料金プラン、使っていないサブスクリプション、保険料などの固定費は、一度見直すだけで毎月の出費が下がります。家計調査でも、34歳以下の単身女性の通信費は月7,708円かかっています。格安プランへの乗り換えなどで下げられる余地がないか、確認してみましょう。
派遣社員は付き合いの出費や転勤の心配が少ない
派遣社員は、派遣先の社内行事や飲み会に参加するかどうかを自分で決めやすい立場です。仕事が終われば予定どおりに帰宅できるので、付き合いの出費を自分でコントロールしやすくなります。
派遣の交通費は2020年4月から支給が原則
2020年4月から、派遣社員にも同一労働同一賃金のルールが適用され、通勤手当(交通費)も待遇の一つとして扱われるようになりました。多くの派遣会社が採用している労使協定方式では、通勤手当は実費で支給されるか、通勤手当に相当する額を時給に上乗せして支払われます。どちらの形なのかは、派遣会社の労働条件通知書で確認しましょう。
派遣社員は転勤がない
正社員は、人事異動で遠方に転勤になることがあり、引っ越しのたびに敷金・礼金や引越し代がかかると貯金が減ってしまいます。派遣社員は、住む場所を決めてから自宅の近くで仕事を探せるので、転勤による出費を心配せずに同じ部屋に住み続けられます。
派遣社員の1人暮らしで契約の切れ目に備える生活防衛資金
派遣社員の1人暮らしでは、派遣の契約が終わってから次の仕事が始まるまでの期間の生活費を、貯金で準備しておくと安心です。いざというときの生活を守るために準備しておくお金を、「生活防衛資金」と呼びます。
派遣の契約の切れ目にかかる生活費
登録型派遣では、契約が終わると派遣会社との雇用契約も終わり、次の仕事が決まるまで給料が入りません。家賃や光熱費などの固定費は、その間もかかり続けます。まずは毎月の生活費を把握し、次の仕事が決まるまでの数ヶ月分を目標に貯めていきましょう。
派遣社員の雇用保険と社会保険
派遣会社で雇用保険に加入していれば、離職後にハローワークで手続きをすると、要件を満たした場合に失業給付(基本手当)を受け取れます。ただし、手続きをしてから7日間の待期期間があり、失業の認定は原則4週間に1回なので、最初の振込までには時間がかかります。自己都合で退職した場合は、原則1ヶ月の給付制限も加わる点に注意しましょう。派遣の契約期間が満了して離職した場合は給付制限がつかないことが多いので、離職理由の扱いはハローワークで確認してください。
失業給付が入るまでのつなぎとしても、生活防衛資金を準備しておくことが大切です。

派遣社員の1人暮らしと貯金まとめ
派遣社員でも、1人暮らしをしながら貯金をすることは十分にできます。公的統計で1ヶ月の出費の平均を確認し、手取りの中で家賃と固定費を決めてしまえば、貯金に回せる金額が見えてきます。
貯金を続けるコツは、給料日に先取りで分けておくことと、固定費を見直すことです。派遣は勤務地を選びやすく、転勤もないため、住まいを決めてから通いやすい仕事を探せるのも強みです。
派遣の契約の切れ目に備えて生活防衛資金を少しずつ貯めておけば、次の仕事を焦らずに選べます。自分に合った働き方と住まいを見つけて、1人暮らしと貯金を両立させましょう。















