
「直接雇用の話をもらえたのはうれしいけど、面接で落ちたらどうなるんだろう」
派遣として働いている職場から直接雇用の打診を受けたとき、喜びと同じだけ不安がついてきます。仕事の中身も職場の人も分かっているのに、あらためて選考を受ける。しかも見送りになったら、翌日から同じ職場にどんな顔で行けばよいのか分かりません。
この記事では、派遣から直接雇用の面接で落ちる理由を、あなたの側にある5つと派遣先の側にある3つに分けて解説します。あわせて、選考で何を提出して何を受けるのか、面接前にやっておく4つの準備、落ちた後に派遣契約がどうなるのかも取り上げます。派遣先からの打診を待たずに直接雇用へ進む方法まで、順に見ていきましょう。
なお、最初から紹介予定派遣として応募していて、これから面接を迎える方は、面接の位置づけも聞かれることも変わります。次の記事を先にご覧ください。



派遣から直接雇用の面接は中途採用と同じ選考
派遣から直接雇用の面接は、今の仕事ぶりを確認するだけの顔合わせではありません。派遣先はあなたを自社の社員として雇い入れるため、社外から応募してきた人と同じ枠組みで選考します。派遣で働き始めたときに派遣先との面接がなかったのは労働者派遣の決まりによるもので、直接雇用の選考は労働者派遣にあたらないため、派遣先はあなたを選ぶ立場で選考します。
選考の重さは派遣先ごとに違う
直接雇用の選考がどれくらい重いかを決めるのは、派遣先の会社です。役員との面談が1回あるだけで決まる会社もあれば、応募書類の提出から適性検査、一次面接と最終面接まで、中途採用とまったく同じ手順を踏む会社もあります。
重さを分けるのは、おおまかには派遣先の規模と、派遣先の社内に採用の制度がどれだけ整っているかです。社員数の多い会社は選考の基準を人事部が一律に決めているため、あなたが現場で評価されていても手順は省略されません。一方、数十人規模の会社では、現場の責任者の判断がそのまま採用の結論になることもあります。
どちらにあたるかは想像しても分かりません。打診を受けた時点で、派遣会社の営業担当に「選考は何回あって、何を提出するのか」を確認してもらいましょう。
派遣会社の営業担当が間に入る
一般の転職活動と決定的に違うのは、あなたと派遣先のあいだに派遣会社の営業担当が入る点です。直接雇用の話は、派遣先から派遣会社へ伝わり、営業担当からあなたへ届く順で進むのが一般的です。
営業担当が関わるのは最初の打診だけではありません。応募書類の受け渡し、面接日程の調整、給与や雇用形態のすり合わせ、そして見送りになったときの連絡まで、多くの場面を営業担当が仲介します。派遣会社と派遣先のあいだでは労働者派遣契約(派遣会社が派遣先へ人を派遣する契約)が続いているため、あなたが派遣会社を飛ばして派遣先と話を進める形にはなりません。
つまり、あなたが派遣先の人事と直接やり取りするのは面接当日だけ、という進み方もよくあります。裏を返せば、聞きにくいことを営業担当に代わりに聞いてもらえる立場でもあります。
紹介予定派遣の面接との違い
紹介予定派遣は、直接雇用になることを最初から前提にして始まる働き方です。応募した時点で直接雇用後の仕事内容や労働条件が示されており、派遣期間は最長6か月と決まっています。派遣先が就業の前にあなたと面接して人を選ぶことも、紹介予定派遣にかぎって認められています。
一方、通常の派遣として働いているあなたの場合、直接雇用の話がいつ出るかは決まっていません。雇用形態が正社員なのか契約社員なのかも、打診を受けて初めて分かります。選考の中身も派遣先が都度決めるため、紹介予定派遣のように型が決まっていない点が大きな違いです。
派遣から直接雇用の選考の中身
派遣から直接雇用の選考で何を提出し、何を受けるのかは、派遣先の会社ごとに違います。それでも、多くの会社に共通して出てくるものが3つあります。応募書類の提出、筆記試験、そして面接です。どれが課されるかは選考の案内で分かりますが、先に見当をつけておくと、準備にかけられる時間が変わります。
応募書類
直接雇用の選考では、履歴書と職務経歴書の提出を求められるのが一般的です。派遣先はあなたの働きぶりを毎日見ていますが、これまでの職歴や資格をまとまった形では持っていません。派遣会社が派遣先に渡しているのは、業務に必要な範囲の情報をまとめたスキルシートで、応募書類の代わりになるものではないからです。
職務経歴書には、今の派遣先で担当している業務も書きます。「目の前の人が知っていることをあらためて書く」ことに戸惑う方は多いのですが、面接官が現場の上司とは限りません。人事部の担当者や役員が読む前提で書きましょう。
派遣会社は用意してくれない
応募書類は、あなた自身が作成して提出します。派遣会社が代わりに書くことはなく、登録時に出した書類をあなたの同意なく派遣先へ回すこともありません。派遣会社が預かっている登録情報は、あなたに仕事を紹介するために集めたものだからです。
なお、書き方に迷ったときに営業担当へ相談するのは問題ありません。職務経歴書の書き方を一緒に見てくれる派遣会社もあります。
健康診断書や卒業証明書
直接雇用に切り替わる前後で、健康診断を受けるよう案内されることがあります。労働者を常時使用する形で雇い入れるとき、雇い入れる側の会社は医師による健康診断を行わなければならないと、労働安全衛生規則第43条が定めているためです。正社員や契約社員として直接雇用に切り替わった後、健康診断を行う義務を負うのは派遣先です。同じ条文には、あなたが直前3か月以内に健康診断を受けて、健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、派遣先が重なる検査項目を省略できるという定めもあります。
そのため、派遣会社で受けた定期健康診断の結果が使えることもあります。案内が来たら営業担当に確認してみましょう。卒業証明書や資格の証明書は、選考というより入社手続きの段階で求められる書類です。
筆記試験
中途採用で筆記試験を課している会社では、直接雇用の選考でも同じ試験を受けることになります。派遣先は、現場でのあなたの評価と、全社員に共通して求める基準とを、別のものとして扱うからです。同じ職場で何年も働いていても、試験だけは新しく応募してきた人と同じ条件で受けます。
適性検査
筆記試験としてよく使われるのが適性検査です。計算や読解を一定時間で解く能力検査と、仕事への向き合い方を尋ねる性格検査の2つで構成されているものが多く、パソコンで受ける形式も紙で受ける形式もあります。
何という検査を使うかを教えてもらえる会社もあるため、営業担当を通じて聞いてみてください。検査名が分かれば、市販の対策本で問題の形式に慣れておけます。時間配分でつまずく方が多いので、本番と同じ制限時間で一度解いておくと落ち着いて臨めます。
面接
面接は、直接雇用の選考でほぼ必ず行われます。仕事の内容をすでに知っているあなたに対して、派遣先が何を確かめたいのかというと、社員として長く働く意思があるかどうかと、任せる範囲を広げても対応できるかどうかの2点です。
面接の回数
面接の回数は1回から3回程度が一般的で、会社の規模が大きいほど増えます。現場の上司との面談、人事部との面接、役員面接という順に進む形が典型です。
現場の上司が同席する回では、日ごろのやり取りの延長のような空気になることがあります。それでも選考の場であることに変わりはないので、社外から応募してきた人と同じように準備して臨みましょう。
面接官の顔ぶれ
面接官として出てくるのは、現場の上司、人事部の担当者、役員の3者が中心です。このうち、あなたの仕事ぶりを知っているのは現場の上司だけで、人事部や役員はあなたを初めて見ます。
初めて会う面接官に向けて話す前提で答えを用意しておくと、受け答えが具体的になります。現場では通じる略語や社内の呼び方を避け、業務の内容を言葉にして説明できるようにしておきましょう。


ここまで取り上げたのは、派遣先が行う直接雇用の選考です。派遣の仕事に応募するときに派遣会社の中で行われる選考は、提出するものも見られる点も別のものになります。
派遣から直接雇用の面接で落ちる本人側の原因5つ
派遣から直接雇用の面接で落ちる原因のうち、あなたの側で起きているものは5つに整理できます。派遣先は、面接での受け答えに加えて、あなたが派遣として働いてきた日々の評価も選考の材料にします。面接官が現場の上司に普段の様子を確認したうえで判断するからです。見送りには派遣先の採用計画や予算といった事情もありますが、ここではあなたが準備しだいで変えられる5つを取り上げます。
志望動機が今の職場に慣れていることだけ
「この職場に慣れているので」「通いやすいので」という答えだけで止まると、面接官は志望動機が弱いと受け取ります。慣れや通いやすさはあなたにとっての利点であって、派遣先があなたを雇う理由にはならないためです。
派遣先が知りたいのは、社員という立場であなたが何をしたいのかです。今の業務で気づいた改善点、まだ担当していないけれど関わりたい仕事、派遣先が扱う商品やサービスへの関心。どれか1つでも自分の言葉で言えれば、答えの厚みが変わります。面接の前に、話せる材料を思い出しておきましょう。慣れていることに触れるなら、「慣れているので、次は後から入る人が困らない手順を整えたい」のように、先の行動まで続けて話してください。
派遣で担当した仕事を説明できない
毎日やっている仕事ほど、言葉にするのが難しくなります。「言われたことをやっていました」「入力業務です」で終わると、初めて会う人事部や役員には何も伝わりません。
説明するときは、扱っている件数や金額、使っているソフト、関わっている部署も添えましょう。「請求書の入力です」ではなく「取引先80社分の請求書を月末に処理していて、経理部と営業部のあいだで金額の確認を担当しています」と言えば、任せられている範囲が伝わります。数字が思い出せないなら、面接の前に手元の資料で数え直しておきましょう。
勤怠や報告が乱れている
面接官は、現場の上司にあなたの普段の様子を確認します。欠勤や遅刻が多い、連絡なく休むことがある、頼まれた仕事の進み具合を自分から報告しない。こうした点が挙がると、面接の受け答えがどれだけ良くても評価は下がります。派遣先があなたを直接雇えば、勤怠の乱れは派遣会社をはさまずに派遣先が自社の問題として抱えることになるからです。
ただし、体調や家庭の事情で休みが多かった時期がある方は、面接で休みの多さを隠さずに話してかまいません。休みが多かった事情はすでに落ち着いていること、今は安定して出勤できていることを合わせて伝えてください。面接官は、過去の欠勤を今のあなたの働き方と切り離して判断できます。
任される範囲の広がりに答えられない
社員になると、担当する業務の範囲が広がるのが一般的です。派遣で働いていたあいだ、あなたが担当する業務は、派遣会社と派遣先が労働者派遣契約で決めた範囲に限られていました。直接雇用になった後、担当する業務と、業務が変わりうる範囲を取り決めるのは、派遣先とあなたの2者です。部署の異動、後輩の指導、繁忙期の残業、取引先への同行。どれも面接で話題に出る内容です。
「今の仕事だけを続けたい」と答えると、面接官は、派遣先が社員に求める役割とあなたの希望が合わないと判断します。希望があるなら、「できれば今の部署で専門性を高めたいと考えていますが、部署の状況に応じて必要なことには取り組みます」のように、希望と柔軟さの両方を示す形で伝えましょう。
希望条件が派遣会社への申告と食い違う
見落としやすいのが、派遣会社に伝えてある希望条件と、面接で話す内容のずれです。派遣会社の営業担当は、直接雇用の条件を派遣先と事前にすり合わせています。事前のすり合わせで派遣先が聞いていた条件と違う希望が面接で出てくると、派遣先は話の前提が崩れたと受け取ります。
残業の可否、転勤の可否、希望する年収、勤務時間。どれも打診の段階で営業担当と確認しておき、変えたい点があれば面接より前に営業担当へ伝えてください。
派遣から直接雇用の面接を左右する派遣先の事情
派遣から直接雇用の面接では、あなたの受け答えに問題がなくても見送りになることがあります。派遣先があなたを採用するかどうかは、年度ごとの採用計画や予算といった、あなたからは見えない事情にも左右されるからです。あなたの評価とは別のところで選考が止まる、派遣先の事情を3つ挙げます。
採用枠がなくなる
派遣先は、年度ごとに採用する人数を決めています。他の応募者が先に決まった、業績の見通しが変わって採用そのものが止まった、組織の改編で部署の人員計画がやり直しになった。いずれの場合も、あなたの評価とは無関係に、派遣先は選考そのものを打ち切ります。
打診を受けてから面接までに数か月空くと、そのあいだに採用枠が埋まってしまうことがあります。話が動かないまま時間が過ぎていると感じたら、営業担当に募集の状況を確認してもらいましょう。
任せたい仕事と経験のずれ
派遣先の人事部が社員を採用するとき、想定している仕事は、今あなたが担当している業務とは限りません。「将来は経理全体を見てほしい」「他部署も含めた取りまとめを任せたい」といった先の役割を想定している場合、あなたの経験と募集の中身がずれます。
現場の上司があなたを推してくれていても、人事部が思い描く人物像とは別だった、という食い違いです。ずれは募集の中身に表れます。「将来の管理職候補」「部門の取りまとめ」といった言葉が募集に入っていれば、派遣先が見ているのは今の業務そのものではなく、その先の役割です。あなたの経験のうち、その役割につながる場面を選んで話してください。
派遣先が派遣会社に払う手数料
派遣先が派遣社員を直接雇用するとき、派遣会社へ紹介手数料が発生することがあります。支払いの有無と金額を決めるのは、派遣会社と派遣先の2社です。両社は、労働者派遣契約のなかであらかじめ条件を取り決めています。
手数料の取り決めがまとまらないと、選考そのものが進まなくなります。あなたには「返事が来ない」「話が止まっている」という形でしか見えないため、不安になったら営業担当に状況を聞いてください。なお、派遣先が直接雇用を提案してくる理由と、提案を受けるかどうかの判断材料は、別の記事でまとめています。


派遣から直接雇用の面接前にやっておく4つの準備
派遣から直接雇用の面接に向けた準備は、派遣先を調べることだけではありません。派遣会社の営業担当から引き出せる情報が多く、準備の順番によって面接での答えやすさが変わります。次の4つを順に進めましょう。
派遣会社の営業担当に募集内容を聞く
最初にやることは、派遣会社の営業担当への確認です。営業担当は派遣先の人事や現場の責任者と話をしているため、あなたが直接は聞きにくい内容を知っています。
聞いておきたいのは4点です。選考が何回あって何を提出するのか、募集されているポジションの役割は何か、雇用形態は正社員か契約社員か、そして面接官は誰か。直接雇用と言われても正社員とは限らず、契約社員やパートでの採用もあるため、雇用形態は早い段階で確かめておきましょう。営業担当から聞いた内容が、このあとの棚卸し・労働条件の確認・逆質問の土台になります。面接の日程が決まったら、まず営業担当に連絡して4点を聞いておきましょう。
派遣先で担当した仕事の棚卸し
直接雇用の面接に備えて、派遣先で担当してきた仕事を書き出しましょう。業務の名前だけでなく、扱った件数、使ったソフト、やり取りした部署や取引先、工夫して変えた手順まで並べてください。
時期の古い順に並べると、任される範囲が広がってきた流れが見えてきます。任される範囲が広がってきたこと自体が、社員になった後も伸びていけるという材料になります。職務経歴書に落とし込む段階で書き方に迷ったら、別の記事も参考にしてみてください。
直接雇用後の労働条件の確認
直接雇用になった後の労働条件は、面接の前に確認しておきます。雇用形態、給与の締め方と金額、賞与や退職金の有無、勤務時間、残業の扱い、転勤や異動の可能性。派遣のときとは前提が異なる項目を、面接より前に派遣会社の営業担当を通じて確かめておきましょう。なお、派遣先はあなたを雇い入れるときに、就業場所と業務それぞれの「変更の範囲」を労働条件通知書に書いて示さなければなりません。労働基準法施行規則第5条第1項第1号の3が、2024年4月から雇い入れる側の会社に義務づけているためです。
派遣は時給で働く形が一般的ですが、正社員や契約社員での直接雇用では月給に変わることが多く、月ごとの手取りの計算方法も変わります。労働条件を知らないまま面接で希望を聞かれると、あなたはその場で答えを作ることになり、派遣会社に伝えてある希望条件との食い違いが起きます。
逆質問の用意
逆質問(あなたから面接官に尋ねる質問)も用意しておきます。面接の終わりに「何か質問はありますか」と聞かれたとき、「特にありません」と答えると、関心が薄いという印象を残します。すでに職場を知っているあなたの場合、なおさら「聞くことがない」と思われやすい立場です。
聞く内容は、社員になった後のことに絞りましょう。配属される部署とチームの人数、評価の仕組みと昇給の時期、派遣先が今後力を入れていく事業。現場で見えている範囲の外側を尋ねると、長く働く前提で考えていることが伝わります。
派遣から直接雇用の面接に落ちた後の派遣契約
派遣から直接雇用の面接に落ちても、翌日からあなたが働けなくなるわけではありません。直接雇用の選考と、派遣会社とあなたのあいだの労働契約は、別のものとして続いています。落ちた後に何が起きるのかを、順に見ていきましょう。
落ちても派遣契約はそのまま続く
あなたが働けるのは、派遣会社との労働契約と、派遣会社と派遣先が結んでいる労働者派遣契約があるからです。直接雇用の選考で見送りになっても、2つの契約はそのまま残ります。面接の結果だけを理由に、あなたが翌日から出勤できなくなることはまずありません。
次の更新をするかどうかは、派遣先と派遣会社が契約期間の満了ごとに決めます。もっとも、直接雇用を検討したこと自体が、派遣先があなたの働きぶりを認めていた証拠です。多くの場合、そのまま派遣として就業が続きます。
見送りの理由は営業担当に聞ける
直接雇用が見送りになったという連絡は、派遣先から派遣会社を経由してあなたに届きます。理由まで伝えられないことも多いのですが、営業担当は派遣先の担当者に事情を尋ねられる立場にいます。遠慮せずに聞いてみましょう。
通常の派遣から直接雇用に進む場面では、派遣先が見送りの理由を書面で示すことにはなっていません。理由を知る手段は、営業担当に確かめることだけです。連絡を受けたその場で、採用枠の事情なのか、求める経験との差なのかまで踏み込んで確かめられます。
次の更新までの過ごし方
直接雇用が見送りになった後は、次の更新の時期までこれまでどおり働きながら考えても間に合います。気まずさを感じるのは自然なことですが、時間が解決する部分も大きいものです。
そのあいだに、同じ職場に残るか次の派遣先に移るかを決めます。判断の材料は2つです。1つは見送りの理由で、派遣先の事情なのか、あなたに求められている水準との差なのかによって、残る意味が変わります。もう1つは、今の職場で経験を積み重ねられるかどうかです。
派遣先から再び打診が出ることもある
採用枠や予算が理由で見送りになった場合、翌年度に同じ話が出てくることがあります。派遣先の事情が変われば、求められる人物像も採用の人数も変わるからです。
再度の打診を待つのであれば、1度目の面接で足りないと言われた点を埋めておきましょう。資格の取得、担当範囲の拡大、後輩の指導。次に同じ場面が来たとき、話せる材料が増えています。
なお、更新そのものに不安が出てきたときは、面接とは別の見方が必要です。契約が更新されない場面では、仕事の量や引き継ぎの指示といった職場の様子に予兆が表れます。


見送りになった後も同じ職場で働き続けるのか、次の派遣先を探すのか。どちらを選ぶにしても、動ける先を持っているほうが落ち着いて決められます。
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派遣から直接雇用に進む打診以外の入口
派遣から直接雇用に進む道は、派遣先からの打診を待つものだけではありません。派遣先には、一定の期間を働いた派遣社員に対して、自社の募集を知らせる義務があります。募集の案内を足がかりにする方法と、派遣会社から働きかけてもらう方法をあわせて、あなたの側から手を挙げられる入口を3つ紹介します。
| 入口 | 必要な期間と範囲 | 動く側 | 義務の強さ |
|---|---|---|---|
| 正社員の募集を知らせる | 同じ事業所で1年以上 | 派遣先 | 義務 |
| すべての募集を知らせる | 同じ部署で3年の見込み | 派遣先 | 義務 |
| 派遣先へ直接雇用を依頼する | 同じ部署で1年以上の見込み | 派遣会社 | 努力義務(3年の見込みで義務) |
| 派遣の終了後に雇い入れる | 同じ部署の同じ業務に1年以上 | 派遣先 | 努力義務 |
1年以上で知らされる正社員の募集
同じ事業所で1年以上続けて働いているあなたには、働いている事業所の正社員募集が知らされます。労働者派遣法第40条の5第1項が、仕事の内容・賃金・労働時間を掲示などの方法で伝えるよう派遣先に義務づけているからです。
なお、事業所とは、支店や工場といった場所のまとまりを指します。このあと出てくる「部署」は、事業所の中の課やグループを指す、より小さいまとまりです。
つまり、同じ派遣先で1年働いていれば、正社員の募集が出たことをあなたが知る機会は確保されています。社内の掲示板や配布物には必ず目を通しましょう。案内が見当たらないときは、営業担当を通じて募集の有無を確かめられます。
3年見込みで広がる募集の範囲
派遣先が知らせなければならない募集の範囲は、あなたが次の3つすべてにあてはまると広がります。
- 派遣会社と期間を定めた労働契約を結んでいる
- 同じ部署で3年続けて働く見込みがある
- その後も働き続けることを希望している
3つにあてはまるあなたには、正社員の募集だけでなく、契約社員やパートを含むすべての募集を、派遣先が知らせることになります。労働者派遣法第40条の5第2項が、知らせる対象を第1項より広げているからです。3年という期間は、労働者派遣法が同じ部署で働ける上限として定めた年数とも重なります。上限が近づいてきたら、派遣先がどんな募集を出しているのかを意識して見ておきましょう。
派遣会社から派遣先への依頼
派遣会社から派遣先へ直接雇用を依頼してもらう方法もあります。労働者派遣法第30条第1項第1号が、派遣会社に対して、派遣先へあなたへの労働契約の申込みを求めるよう努力義務を課しているためです。対象は、派遣会社と期間を定めた労働契約を結んでいて、同じ部署で1年以上働く見込みのある派遣社員です。直接雇用を希望していることを営業担当に伝えておけば、打診を待つだけの状態から一歩進められます。
3年見込みで措置は義務に変わる
同じ部署で3年働く見込みになると、派遣会社が雇用の安定に向けて講じる措置は、努力義務から義務に変わります。ただし義務になるのは、派遣先への直接雇用の依頼を含む4つの措置のうち、いずれかを講じることです。別の派遣先を紹介する、派遣会社が期間の定めのない雇用に切り替える、といった形で果たされることもあります。依頼という形を望むのであれば、希望を先に伝えておいてください。
派遣先にもある雇い入れの努力義務
同じ場面に向けた定めは派遣先の側にもあります。期間を定めた労働契約で1年以上あなたを同じ部署の同じ業務に受け入れてきた派遣先は、派遣の終了後に同じ業務を担う人を雇い入れようとするとき、継続して働くことを希望しているあなたを遅滞なく雇い入れるよう努めることになります。労働者派遣法第40条の4が求めているからです。ただし第40条の4が定めているのは努力義務で、派遣先が必ず雇い入れるわけではありません。
派遣先からの打診や募集の案内を待つほかにも、紹介予定派遣や他社への転職など、派遣から正社員を目指す方法はあります。方法ごとの違いと、今の派遣先で正社員を目指す手順は次の記事で整理しています。
派遣から直接雇用の面接に関するよくある質問
派遣から直接雇用の面接では、書類の準備や派遣会社への伝え方など、選考の進み方とは別のところで迷う場面が出てきます。派遣で働く方が迷いやすい6つの質問に答えます。
- スキルシートは応募書類の代わりになる?
- 落ちる確率はどのくらい?
- 直接雇用と言われたら必ず正社員?
- 派遣先の求人に自分から応募していい?
- 直接雇用の話が出たら派遣会社に伝えるべき?
- 落ちたことは職場の人に知られる?
Q. 派遣会社のスキルシートは応募書類の代わりになりますか?
代わりにはなりません。派遣会社が派遣先に渡しているスキルシートは、任せる業務を決めるために必要な範囲をまとめたもので、職歴や資格を網羅した書類ではないからです。履歴書と職務経歴書は、あなた自身が作成して提出します。書き方の相談には乗ってもらえるので、営業担当に声をかけてみましょう。
Q. 派遣から直接雇用の面接に落ちる確率はどのくらいですか?
派遣から直接雇用の面接に落ちる確率を示した公的な統計はありません。選考の重さは派遣先によって大きく違い、募集の背景も年によって変わります。全体をならした数字は、あなたが受ける選考の見通しとは別ものです。
確率よりも、あなたが受ける選考の重さのほうが結果に効きます。役員との面談1回で決まる会社と、応募書類・適性検査・複数回の面接を課す会社とでは、必要な準備の量がまるで違うからです。選考が何回あって何を提出するのかが分かった時点で、あなたが備えるべき範囲も決まります。
Q. 直接雇用と言われたら必ず正社員になれますか?
直接雇用は、派遣先があなたを直接雇うという意味で、正社員に限りません。派遣先が契約社員やパートとしてあなたを雇う場合も、直接雇用にあたります。契約社員であれば契約期間に定めがあり、更新の回数に上限が設けられていることもあります。打診を受けた段階で、雇用形態と契約期間の定めの有無まで聞いておきましょう。
Q. 派遣先の求人に自分から応募してもいいですか?
法律の上では応募できますが、いま就業している派遣先の求人であれば、応募する前に派遣会社の営業担当へ伝えてください。応募そのものを禁じる法律はなく、派遣会社を辞めた後に派遣先へ雇われる自由も、労働者派遣法第33条が守っています。派遣会社は、雇用関係が終わった後にあなたが派遣先へ雇われることを禁じる契約を、正当な理由なくあなたとも派遣先とも結べません。
ただし、第33条が守っているのは雇用関係が終わった後の自由で、派遣会社との労働契約が続いている期間の扱いは別です。契約期間の途中で派遣先に移るには、派遣会社との調整が要ります。伏せたまま選考が進むと、派遣会社は派遣先から直接雇用の話を聞かされる形になり、契約の終了時期の調整が後手に回ります。板挟みになるのはあなたです。
Q. 直接雇用の話が出たら派遣会社に伝えるべきですか?
派遣先の上司から個人的に直接雇用の話をされたときも、派遣会社には必ず伝えるようにしてください。派遣会社と派遣先のあいだには労働者派遣契約があり、手数料の取り決めや契約の終了時期を調整する必要があるためです。
伝えずに話を進めると、派遣会社と派遣先のあいだでトラブルになり、あなたが板挟みになります。「お世話になった営業担当に言いにくい」と感じる方は多いのですが、直接雇用に進むこと自体は派遣会社も想定している流れです。
Q. 面接に落ちたことは派遣先の人に知られますか?
直接雇用の選考の結果を知るのは、派遣先の人事担当者と、面接に関わった現場の上司に限られるのが一般的です。派遣先が選考の内容を他の社員に共有することはありません。
ただし、直接雇用の話が出ていること自体を周囲が知っている場合、結果を察せられることはあります。結果を知られたくないのであれば、直接雇用の話は、結論が出るまであなたの胸のうちにとどめておきましょう。
派遣から直接雇用の面接で落ちないためのまとめ
派遣から直接雇用の面接は、今の仕事ぶりを確かめる場ではなく、社外から応募してきた人と同じ中途採用の選考です。選考の重さは派遣先ごとに違い、応募書類だけで進む会社もあれば、適性検査と複数回の面接を課す会社もあります。
いま不安なのは、結果があなたの力だけでは決まらないからだと思います。けれど、採用枠や手数料の取り決めは派遣先の側の事情で、あなたの評価とは別ものです。面接の前に選考の回数と見られる点を営業担当に確かめ、見送りになったときの働き方まで一緒に聞いておけば、当日は目の前の面接だけに集中できます。
直接雇用を望んでいることを営業担当に伝えておけば、派遣会社から派遣先へ働きかけてもらう道もあります。打診を待つだけの時間を、動ける時間に変えていきましょう。

派遣会社によって、直接雇用に進みやすい求人の持ち方は違います。紹介予定派遣の案件を多く扱う派遣会社もあります。今の職場での結果を待つあいだも、複数の派遣会社に登録して選択肢を広げておきましょう。
Warning: include(/home/benpee/kctp.co.jp/public_html/haken.kctp.co.jp/wp-content/themes/jstork/_table_ojinji.php): failed to open stream: No such file or directory in /home/benpee/kctp.co.jp/public_html/haken.kctp.co.jp/wp-content/themes/jstork_custom/functions.php on line 117
Warning: include(): Failed opening '/home/benpee/kctp.co.jp/public_html/haken.kctp.co.jp/wp-content/themes/jstork/_table_ojinji.php' for inclusion (include_path='.:/opt/php-7.4.33-3/data/pear') in /home/benpee/kctp.co.jp/public_html/haken.kctp.co.jp/wp-content/themes/jstork_custom/functions.php on line 117













