「あと半年で3年。今の職場を辞めたくないのに、派遣会社からはもう次の話をされている」
仕事にも人にも慣れて、ようやく居心地がよくなってきた頃に、期限だけが先に決まっている。派遣で働くうえで、これほど納得しにくい場面はありません。
この記事では、派遣の3年ルールで辞めたくないときにあなたが取れる4つの選択肢と、そのなかで最初にやるべきことを解説します。実はこの4つは対等ではありません。先に1つを選んでおかないと、他の権利が動き出さないという順番があります。



この記事で分かることは次のとおりです。
- 派遣の3年ルールにある2つの期間制限と、抵触日の確認方法
- 3年ルールが適用されない5つの例外
- 辞めたくないときに最初にやること(順番があります)
- 「抜け道」と言われる方法が実際に使えるのか
- 3年ルールが廃止されるという噂の、2026年9月時点の状況
抵触日という言葉そのものの意味から知りたい方は、「抵触日とは?派遣の抵触日の仕組みについて解説します」を先にご覧ください。
派遣の3年ルールとは?辞めたくない人がまず押さえる2つの期間制限
派遣の3年ルールは、ひとつの決まりのように語られますが、実際には性質の違う2つの期間制限が重なったものです。辞めたくないと考えたとき、どちらの制限が先に来るかで打てる手が変わります。まずはここを分けて押さえましょう。
個人単位の期間制限|同じ「課」で働けるのは3年まで
派遣会社は、同じ派遣先の同じ組織単位の業務について、3年を超えて同じ派遣社員を派遣してはいけません(労働者派遣法第35条の3)。
組織単位とは、おおむね「課」や「グループ」のように、業務のまとまりと指揮命令をする人が同じ範囲を指します。会社全体ではなく、あなたが所属している課が単位です。
つまり同じ会社の中でも、課が変わればこの制限は新しく数え直しになります。
事業所単位の期間制限|派遣先の事業所全体で3年まで
もうひとつは、派遣先の側にかかる制限です。派遣先は、事業所ごとに派遣を受け入れられる期間が原則3年と決まっています(法第40条の2第1項・第2項)。
こちらは「あなた」ではなく「その事業所」に対する制限です。あなたが入社する前から数え始まっていることもあります。
ただしこの3年は延長できます。派遣先が過半数労働組合(ない場合は労働者の過半数を代表する人)の意見を聴けば、3年を限度に延長でき、繰り返すことも可能です(法第40条の2第3項・第4項)。
| 個人単位 | 事業所単位 | |
|---|---|---|
| 数える範囲 | 同じ組織単位(課・グループ) | 派遣先の事業所全体 |
| 義務を負うのは | 派遣会社(派遣元) | 派遣先 |
| 上限 | 3年 | 原則3年 |
| 延長 | できない | できる(意見聴取が必要・反復可) |
| 部署異動したら | 数え直しになる | 変わらない |
| 根拠 | 法第35条の3 | 法第40条の2 |
派遣の抵触日はどこで確認する?就業条件明示書を見る
抵触日とは、期間制限に抵触することとなる最初の日です。「3年目の最終日」ではなく、その翌日、つまり「この日からはもう働けない」という日を指します。
確認できるのは、派遣会社から受け取る就業条件明示書(労働条件通知書と一体になっていることが多い書面)です。事業所単位の抵触日は、派遣先から派遣会社へ通知することが法律で決まっています(法第40条の2第7項)。
書面が見当たらないときは、派遣会社の担当者に「事業所単位と個人単位、両方の抵触日を教えてください」と聞けば確認できます。片方だけ聞くと、先に来るほうを見落とします。
明示書に書かれている項目そのものについては、次の記事で解説しています。


派遣の3年ルールが適用されない5つの例外
派遣の3年ルールには、そもそも適用されない働き方があります。次の5つに当てはまる場合、3年を超えて同じ職場で働き続けられます(法第40条の2第1項各号)。自分が該当しないか、先に確認しておきましょう。
- 派遣会社と無期雇用契約を結んでいる
- あなたが60歳以上である
- 終わる時期が決まっている有期プロジェクトの業務
- 1か月の勤務日数が少ない業務(月10日以下)
- 産休・育休・介護休業を取る社員の代わりに働いている
派遣会社と無期雇用契約を結んでいる場合(無期雇用派遣)
期間の定めのない雇用契約を派遣会社と結んでいる場合(いわゆる無期雇用派遣)、期間制限の対象になりません。同じ職場で3年を超えて働き続けられます。
ただし雇用主は派遣会社のままで、派遣先の社員になるわけではありません。この点は後述します。
派遣で働くあなたが60歳以上の場合
派遣で働く人が60歳以上の場合、期間制限は適用されません(労働者派遣法施行規則第32条の4)。年齢の要件だけで判断されるため、手続きは不要です。
終わる時期が決まっている有期プロジェクトに派遣されている場合
事業の開始・転換・拡大・縮小・廃止のための業務で、一定の期間内に完了することが決まっているものは対象外です。ただし「なんとなく数年で終わりそう」では該当しません。終期が明確であることが条件です。
派遣先での勤務日数が1か月10日以下の場合
その業務が1か月に行われる日数が、派遣先の通常の労働者の所定労働日数と比べて相当程度少なく(おおむね半分以下)、かつ月10日以下である場合は対象外です。週2日勤務などが該当します。
産休・育休・介護休業の社員の代わりに派遣されている場合
産前産後休業、育児休業、介護休業を取得する社員の業務を代替している場合は対象外です(法第40条の2第1項第4号・第5号)。休業している人が復帰するまでが前提のため、復帰後も同じ職場に残りたい場合は、別途この記事の内容が当てはまります。
派遣の3年ルールで辞めたくないとき、最初にやること【4ステップ】
ここからが本題です。派遣の3年ルールで辞めたくないと思ったとき、多くの人は「派遣会社にお願いする」と考えます。しかし法律上、あなたはお願いする立場ではありません。派遣会社には措置を講じる義務があり、順番どおりに動くと、今度は派遣先の側に義務が生まれます。全体の流れは次の4ステップです。


派遣会社には、あなたの希望を聞く義務がある
同じ組織単位で継続して3年間働く見込みがあり、その後も働き続けたいと考えている派遣社員に対して、派遣会社は雇用安定措置を講じなければなりません(法第30条第2項)。努力目標ではなく義務です。
なお、見込みが1年以上3年未満の場合は努力義務にとどまります(同条第1項)。3年見込みになって初めて義務に変わる、という構造です。
そして措置を講じるにあたり、派遣会社はあなたが希望する措置の内容を聴取しなければならないと定められています(施行規則第25条の2第3項)。継続して働きたいかどうかも、派遣が終了する日の前日までに聴くことになっています(施行規則第25条第2項)。
つまり、聞かれるのを待っていて構いません。聞かれないまま話が終わりそうなら、その時点でおかしいと考えてよい場面です。
「派遣先への直接雇用の依頼」を希望すると伝える
雇用安定措置は4つあります(法第30条第1項各号)。このうち今の職場に残りたいなら、選ぶべきは①の「派遣先への直接雇用の依頼」です。理由は次のステップにあります。
| 措置 | 内容 | 今の職場に残れるか |
|---|---|---|
| ①直接雇用の依頼 | 派遣先に対し、あなたへ労働契約を申し込むよう求める | 残れる可能性がある |
| ②新しい派遣先の提供 | あなたの能力・経験に照らして合理的な条件の就業機会を提供する | 職場は変わる |
| ③派遣会社での無期雇用 | 派遣会社が、派遣労働者以外の労働者として無期雇用する | 職場は変わる |
| ④教育訓練など | 有給の教育訓練、紹介予定派遣の対象にするなど | 職場は変わる |
依頼が行われると、派遣先に2つの義務が生まれる
①の直接雇用の依頼が実際に行われると、今度は派遣先の側に次の2つの義務が発生します。
雇入れの努力義務(法第40条の4)
同じ組織単位で1年以上受け入れた人について、引き続き同じ業務に人を雇い入れようとするとき、その人を遅滞なく雇い入れるよう努めなければならないという義務です。
募集情報の周知義務(法第40条の5第2項)
その事業所で労働者の募集を行うとき、業務内容・賃金・労働時間などを知らせなければならないという義務です。3年間従事する見込みの人に対しては「通常の労働者(正社員)」が「労働者」に読み替えられるため、正社員の募集に限りません。
ここが最も重要な点です。この2つの義務は「①の直接雇用の依頼を講じてもらった人」だけを対象にしています(施行規則第33条の7・第33条の8)。直接雇用の依頼を経ていない人には、そもそも発生しません。
つまり4つの措置は対等ではありません。①の直接雇用の依頼を選んでおくかどうかで、派遣先に義務が生まれるかどうかが変わります。
直接雇用にならなくても、派遣会社は次の手を打つ義務がある
①の直接雇用の依頼を講じたものの、派遣先に雇用されなかった場合、派遣会社は②新しい派遣先の提供・③派遣会社での無期雇用・④教育訓練などのいずれかを講じなければなりません(施行規則第25条の2第2項)。
「依頼はしましたが、断られたので終わりです」で終わらせることはできない、ということです。次の派遣先の提供か、派遣会社での無期雇用か、有給の教育訓練などのいずれかが必ず続きます。
派遣の3年ルールの後も働き続ける4つの方法
派遣の3年ルールの後も働き続ける方法は、大きく4つです。ここではそれぞれが誰の判断で決まるのかを整理します。自分で動かせる部分とそうでない部分を分けておくと、期待の掛け違いが減ります。
| 方法 | 最終的に決めるのは | あなたが動かせる部分 |
|---|---|---|
| 直接雇用 | 派遣先 | ①直接雇用の依頼を希望すると伝える |
| 部署異動 | 派遣先と派遣会社 | 希望を早めに伝える |
| 無期雇用派遣 | 派遣会社(選考あり) | 応募する・選考を受ける |
| 別の派遣先 | あなた | いつでも動ける |
派遣先に直接雇用してもらう
最も希望が多い方法です。ただし雇用形態は正社員とは限らず、契約社員やパートとして提示されることもあります。時給から月給に変わることで、手取りが下がる場合もあります。
「直接雇用=正社員」ではないという前提で、条件を確認してから判断してください。
同じ派遣先の別の部署へ移る
個人単位の期間制限は組織単位ごとにかかるため、課が変われば数え直しになります。これは適法な方法で、違法ではありません。「抜け道」「グレー」と書かれていることがありますが、法第35条の3が組織単位を単位としている以上、組織単位が変わることは制度上想定されています。
ただし2つ注意点があります。ひとつは前述のとおり、事業所単位の抵触日は別にかかること。もうひとつは、部署異動は派遣先とあなたの双方が合意して契約を結び直す形になるため、あなただけの希望では決まらないことです。
部署異動そのものの進め方は、「派遣社員でも部署異動したいけどできる?いきなりの異動は違法?」をご覧ください。
派遣会社で無期雇用派遣になる
派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結ぶ方法です。期間制限の対象から外れるため、理屈のうえでは同じ職場で働き続けられます。
ただし選考があり、誰でもなれるわけではありません。また雇用主は派遣会社のままなので、派遣会社の判断で別の派遣先に移る可能性があります。「同じ職場に残るための手段」として期待しすぎると、思っていたのと違うことになりがちです。
別の派遣先で働く
今の職場を離れる選択ですが、唯一あなた自身の判断だけで動ける方法でもあります。雇用安定措置の②新しい派遣先の提供として、派遣会社から紹介を受ける道もありますし、自分で他の派遣会社に登録して探すこともできます。
抵触日が分かっている以上、動き出す時期を自分で決められるのは強みです。ぎりぎりまで待つより、3〜4か月前から情報を集めておくほうが選べる幅は広がります。

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派遣の3年ルールで終了と言われた理由の見極め方
派遣の3年ルールで終了を告げられたとき、その説明をそのまま受け取ってよいとは限りません。派遣会社から聞いた理由と、派遣先の認識が食い違っていたという声が実際にあります。
派遣会社と派遣先で、説明が食い違うことがある
インターネットの相談掲示板には、こんな相談が投稿されています。3年働いて継続を希望したものの無期雇用にはならず、派遣会社からは「派遣先が求めるレベルに達していなかった」と説明された。ところが後日、派遣先の責任者からは「仕事内容が問題になったわけではない。できれば続けてほしかったが、派遣会社との同意に至らなかった」と聞かされた、というものです。
同じ結果について、派遣会社と派遣先がまったく違う説明をしているわけです。
なぜ食い違うのか|無期雇用にすると派遣料金が上がる
この相談への回答で複数指摘されていたのが、お金の構造です。
派遣社員を無期雇用に切り替えると、派遣先が派遣会社に支払う派遣料金が上がることがあります。そこで折り合いがつかなかった場合、派遣会社から見れば「その金額に見合うレベルではなかった」となり、派遣先から見れば「仕事に不満はないが、その金額は出せない」となります。同じ出来事を、それぞれの立場から言い換えているだけということが起こり得ます。
つまり「レベルに達していなかった」と言われても、それがあなたの仕事ぶりへの評価とは限りません。
「スキル不足」と言われたときに確認しておきたいこと
言われた内容をそのまま受け止める前に、次を確認しておくと状況が見えやすくなります。
- 雇用安定措置として何を講じてもらえるのか(①直接雇用の依頼〜④教育訓練などのどれか)
- ①の直接雇用の依頼は、実際に行われたのか
- 事業所単位の抵触日はいつか(部署異動の余地があるか)
①の直接雇用の依頼が行われたかどうかで、派遣先に義務が生まれるかが変わります。「依頼しましたか」と確認すること自体に意味があります。


派遣の3年ルールの抜け道を検証する
派遣の3年ルールには「抜け道がある」と書かれていることがあります。ただし実際に使えるものと、条件が厳しくて現実的でないものが混ざっています。代表的な3つを検証します。
クーリング期間を空ければ同じ職場に戻れるか
派遣が終了してから次の派遣までに3か月を超える空白があると、期間が継続していないものとして扱われます。これがクーリング期間です。
理屈のうえでは、3か月を超えて空ければ同じ職場に戻れます。ただしその間は収入が途切れます。また、戻れる保証もありません。「辞めたくない」という目的に対しては、手段としてかみ合っていないのが実際のところです。
別の派遣会社を通せば同じ職場に入り直せるか
「派遣会社を変えればリセットされる」と言われることがありますが、個人単位の期間制限は派遣会社ではなく組織単位で数えます。派遣会社を変えても、同じ組織単位で働く限り期間は通算されます。
加えて実務上も、派遣先が他社経由での応募を受け付けないことが一般的です。制度の面でも運用の面でも、現実的な方法ではありません。
派遣で3年を超えて働かされていた場合の労働契約申込みみなし制度
これは「抜け道」ではなく、違法な状態に対する救済の仕組みです。
派遣先が期間制限に違反して派遣を受け入れていた場合など、一定の違法派遣があったときは、その時点で派遣先があなたに労働契約を申し込んだものとみなされます(法第40条の6)。申し込みは1年間撤回できません。
ただし派遣先が違法だと知らず、知らなかったことに過失がなかった場合は適用されません。また、事業所単位の意見聴取の手続きの一部が行われなかったことによる違反は対象外とされています。該当しそうなときは、労働局の需給調整事業部門に相談するのが確実です。
派遣の3年ルールは廃止される?2026年9月時点の状況
派遣の3年ルールについては「廃止されるらしい」という情報が流れています。検索でも「廃止 いつから」という調べ方が多く見られます。ここでは確認できた事実だけを整理します。
派遣の3年ルールの廃止は、審議会の議題に上がっていない
労働者派遣法の改正は、厚生労働省の労働政策審議会(職業安定分科会 労働力需給制度部会)で議論されたうえで進みます。
2025年12月から2026年8月27日までに開かれた同部会の議題を確認したところ、期間制限(3年ルール)の見直しや廃止は一度も取り上げられていません。議題の中心は派遣事業の許可、職業紹介事業の許可、施行規則の改正などです。
なお、直近の派遣法関係の改正(2026年10月1日施行)は同一労働同一賃金に関するもので、雇入れ時・派遣時に「待遇差の内容や理由の説明を求められる旨」を明示することが新たに義務づけられる、という内容です。期間制限には手が入っていません。「派遣法が変わる」という情報と「3年ルールが廃止される」という話が混ざって伝わっている可能性があります。
「派遣の3年ルールはひどい」と言われるのはなぜか
3年ルールは、派遣という働き方が正社員の代わりに固定化されることを防ぎ、派遣社員の雇用を安定させる目的で設けられた制度です。
ところが実際には、続けたい職場から3年で離れざるを得ない人が出ます。安定のための制度が、当事者にとっては不安定さの原因になって見える。「ひどい」と言われる理由はここにあります。
制度の建て付けとしては、3年で終わりにするのではなく、雇用安定措置(H2-3で解説した4つ)につなげることが想定されています。この措置が形だけで終わると、読者から見れば「3年で切られただけ」になります。だからこそ、どの措置を希望するかを自分から伝えることに意味があります。
派遣の3年ルールと5年ルール(無期転換ルール)の違い
混同されやすいのが5年ルールです。こちらは労働契約法第18条の無期転換ルールで、まったく別の制度です。
| 3年ルール | 5年ルール | |
|---|---|---|
| 根拠 | 労働者派遣法 | 労働契約法第18条 |
| 数える相手 | 派遣先の組織単位・事業所 | 派遣会社との契約 |
| 効果 | その職場で働ける期間の上限 | 申し込めば無期労働契約に転換できる |
| 誰が動くか | 派遣会社・派遣先 | あなたの申し込み |
5年ルールは派遣会社との有期契約が通算5年を超えたときに、あなたが申し込めば無期契約に転換できるという制度です。派遣先が変わっても、同じ派遣会社で働き続けていれば通算されます。転換しても派遣社員であることは変わりませんが、契約が切れる不安はなくなります。
なお、かつて「専門26業務」には期間制限がなく、2015年の法改正で全業務に3年の期間制限が統一されました。「2018年問題」と呼ばれたのは、この改正から3年が経過するタイミングの話です。
派遣の3年ルールに関するよくある質問
派遣の3年ルールについて、辞めたくない人からよく寄せられる質問をまとめました。
- Q. 派遣会社を変えれば3年ルールはリセットされますか?
- Q. 派遣で部署が変われば、3年ルールは数え直しになりますか?
- Q. 派遣で3年働くと、派遣先に直接雇用する義務が生まれますか?
- Q. 派遣の抵触日がいつか分からないときはどうすればいいですか?
- Q. 派遣の3年ルールに違反すると、派遣会社や派遣先はどうなりますか?
- Q. 60歳以上なら、派遣の3年ルールは関係ありませんか?
Q. 派遣会社を変えれば3年ルールはリセットされますか?
されません。個人単位の期間制限は派遣先の組織単位で数えるため、派遣会社を変えても同じ課で働く限り通算されます。派遣先が他社経由の応募を受け付けないことも多く、実務上も現実的ではありません。
Q. 派遣で部署が変われば、3年ルールは数え直しになりますか?
個人単位の期間制限は数え直しになります。ただし事業所単位の抵触日は変わりません。事業所単位の抵触日が先に来る場合は、部署を移っても受け入れは終わります。両方の日付を確認してください。
Q. 派遣で3年働くと、派遣先に直接雇用する義務が生まれますか?
生まれません。法第40条の4が定めているのは「遅滞なく雇い入れるよう努めなければならない」という努力義務です。しかもこの努力義務は、派遣会社が雇用安定措置の①(派遣先への直接雇用の依頼)を実際に講じた人にしか発生しません(施行規則第33条の7)。「3年働けば正社員になれる」という説明は正確ではありません。
Q. 派遣の抵触日がいつか分からないときはどうすればいいですか?
就業条件明示書を確認してください。見当たらない場合は、派遣会社の担当者に「事業所単位と個人単位、両方の抵触日を教えてください」と聞けば分かります。事業所単位の抵触日は、派遣先から派遣会社へ通知することが義務づけられています(法第40条の2第7項)。
Q. 派遣の3年ルールに違反すると、派遣会社や派遣先はどうなりますか?
労働局による指導や、事業者名の公表などの対象になり得ます。加えて派遣先については、期間制限に違反して受け入れていた場合、あなたに労働契約を申し込んだものとみなされる制度があります(法第40条の6)。
Q. 60歳以上なら、派遣の3年ルールは関係ありませんか?
関係ありません。60歳以上の人は期間制限の対象外です(施行規則第32条の4)。同じ職場で3年を超えて働き続けられます。
まとめ
3年という区切りは、あなたを追い出すために置かれたものではありません。同じ人が同じ場所で使われ続けることを防ぎ、区切りのたびに次の雇用へつなぐ。そのために派遣会社へ義務を課したのが、この制度です。だからこそあなたは、お願いする立場ではなく、希望を聞かれる立場にいます。
しかも抵触日は、決まっているからこそ先に分かる日付です。いつ区切りが来るかを何年も前から知っていて、それに合わせて自分で動き出せる。働き方として、けっして弱い立場ではありません。
3年続けられたということは、ひとつの職場で任されるだけの力が身についたということでもあります。それは今の派遣先だけで通用するものではありません。抵触日を確かめ、希望を伝え、早めに動く。それだけで、選ばれる側から選ぶ側に近づいていきます。


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